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北欧旅行(2004.11.25〜12.2)
北欧は是非一度は訪れたい場所だった。
冬の北欧と言えばオーロラだが、今回は違った。関西空港から直行便で行く、阪急トラピックスの「びっくり北欧8日間 モニターツアー」だった。
北欧といえばフインランド・スエーデン・ノルウェー・デンマークの4カ国だが、今回スエーデンは入っていない。
何がモニターかと問われれば、通常の料金より安かったことと、アンケートが1枚多かったことぐらい。
11月25日に関西国際空港に集まった旅行客は総勢66名。余りに多いので二班に分かれる。私たちは32名の第2班だった。添乗員は独身女性の宇原さん。てきぱきとした気持ちの良い有能な添乗員だった。
11月25日(木)、11時55分発フインランド航空で空路ヘルシンキに飛ぶ。
時差は7時間。10時間足らずの飛行で北欧だ。
機内食2回で飲み物はビールを注文。日本からはロシア北部の上空を最短距離で飛行。
夜中に機内が騒がしくなったと思ったら、「オーロラが見えた」と叫んでるではないか。私も見に行ったが暗くて確認出来なかった。
ヘルシンキ到着前に、妻が「お父さん、お父さん、オーロラが見えるよ」と起こしてくれた。
そっと窓から覗けば、緑と赤の帯が縦にゆらゆら揺れているではないか。写真には写らなかったがビデオにはハッキリと確認出来た。
普通オーロラは緑系かピンクや白であって、赤は滅多に見れないと言われているので、あれはオーロラで無かったかも知れない。
しかし私達夫婦は間違いなく夜空に浮かぶゆらゆらした発行物体を見たので、オーロラだったと信じることにした。
ヘルシンキには現地時間の午後3時20分に着いた。冬の北欧は日の出は9時ごろで午後3時過ぎには日没だ。
手続きを済ませ空港の外に出れば、周りは薄暗かった。早速バスで市内のホテル「ラマダ プレジデンティ」へ行く。現地ガイドから「マイナス7度のヘルシンキへようこそ」と挨拶があった。周りは一面雪景色。
ここのホテルはフインランドで唯一国際規模のカジノを持つホテルらしい。金の無い私には縁が無いが。
プール等あったらしいが、長時間の飛行で疲れていたため直ぐに寝てしまった。
11月26日(金)、今日は午前中ヘルシンキ観光だ。出発時間に余裕があったため、バイキングの朝食を済ませ、まだ暗い中、ホテルの付近を散歩する。

真っ暗だが街中は活気があった。道路は雪だらけ。歩道には砂を撒き、道路上の雪はダンプに積み込んでいた。

ヘルシンキ中央駅はすぐ側だった。地下のスーパで手袋を買う。3ユーロ(約500円)ぐらいだった。旅行中愛用する。
市内観光に出発。まずヘルシンキ南港に面した「マーケット広場」見学。冬の為、店はまばらで、テントの中で魚を売っていた。覗いたが非常に高い感じがした。普通の国では、屋外のマーケットはバザールのように安いと相場が決っているが、北欧は別らしい。
今回の旅行で感じたことは、北欧の物価は非常に高いと言う感覚だ。
特に食事代はべらぼうに高かった。
マーケット広場からウズベンスキ寺院が見えた。


昔、私の子供時代にヘルシンキでオリンピックが開催され、水泳の古橋等が活躍した。そのオリンピックスタジアムを見学。スタンドは雪で真っ白だった。


元老院広場にはロシアのアレキサンドル2世の像があり、ヘルシンキ大聖堂が輝いていた。


郊外のシベリウス公園へ行く途中の景色は、フィンランドの森と湖の国を連想させてくれた。
フィンランドを代表する作曲家ジャン・シベリウスの名を冠した公園。公園内には女性彫刻家による、ステンレスパイプの彫刻とシベリウスの肖像のレリーフがあった。

教会らしくない教会「テンペリアウキオ教会」を見学。

ヘルシンキのメインストリートである「エスプラナーディ」でムーミンの店を覗く。妻は孫娘の為ムーミングッズや、息子の希望で「ニョロニョロ」を買っていた。
ここで解散だったので、通りのランドマーク的存在の、多くの文化人にも愛されているレストラン「カッペリ」で昼食する。
きちんとしたコース料理を注文し、ビールは大ジョッキで美味しく満足した。歩いてホテルに帰るべきだったが、市電が走ってきたので飛び乗った。一人2ユーロだった。
直ぐに中央駅近くのホテルに着いた。
夕方、オスロへ飛ぶ。約1時間半の旅だった。
オスロの空港には着いたが、バスの到着が遅れ、又道中は雪の為のろのろ運転でホテル到着は大いに遅れた。
私たちの夕飯は日本から持参したうどんや親子丼で済ませる。便利な湯沸かし器は私の旅の必需品だ。
部屋は狭く、設備も悪かったが、最も困ったのは、クリスマス前ということで地元の若者が騒ぎ、騒音で眠れなかったことだ。
何故ホテル側は注意しないのか不思議だったが、この時期はやむを得ないことらしい。郷に入れば郷に従えということか。

11月27日(土)、今日は一泊二日のソグネフィヨルド観光。オスロからフロムまで約285km。バスで5時間の旅だった。
車窓の窓から眺める風景は雪景色。可愛い家が点在する。樹木にまとわりつく雪の芸術。高速道路横の山肌にへばりつく巨大なツララ。



フロムでフェリーに乗って、ソグネフィヨルドの観光。
フィヨルドは何千年もの時を重ねて、氷河に削られてできた深い谷に海水が流れ込み誕生した。
今回見学するソグネフィヨルドは、世界最長・最深を誇る世界最大のスケールらしい。
全長205km、最深部が1308m。海面上600〜700mの高さに切り立った岸壁から一気に流れ落ちる無数の滝。
午後3時過ぎの乗船だったため、周りは薄暗くなってきた。
神秘的な景観が続くが、ガイドの説明が無く、甲板上は寒く、写真やビデオを少し撮って船室にもぐり込んだ。
妻は飽きずに同じ場所からフィヨルドを眺めていた。
2時間ほどの船旅が終わって、帰りはバスで30分程でフロムに帰ってきた。周りは真っ暗だった。







今晩の宿は「フィレット ハイム」。古いホテルを増改築したリゾートホテル。洒落た気持ちの良いホテルだった。

11月28日(日)、朝早く真っ暗な中、朝食前にフロムの街を散策する。フロム鉄道や売店等を探検。路上は凍っており何回も滑りそうになった。
今日は又オスロまでバスで帰る予定だ。
一番最後尾のバスの席にする。4人掛けの席に夫婦二人の為余裕があった。

途中で木で出来た千年前のアスターズ教会を見学。

真っ白な山肌に朝日が反射して美しい光景が目の前に現れた。白と茶色とオレンジの織り成す芸術。バスの中は感嘆の声で一杯。




一番後ろの席なので、誰にも気兼ねなくごろんと横になって眠れた。
午後はオスロで国立美術館のムンク作品見学だ。ムンクの代表作「叫び」を堪能するまで鑑賞した。



DFDSシーウェイズにてデンマークのコペンハーゲンへの優雅な一泊クルーズの船旅。約16時間かかった。
4人ベッドのキャビンに私達夫婦が泊まった。レストランや売店、免税店もあり、とても船の中とは思えなかった。
豪華客船といった感じだった。
11月29日(月)、午前中は専用バスでコペンハーゲンの市内観光。
まず有名な人魚姫の像。アンデルセンの物語を聞く。

アマリエンボー宮殿では、衛兵と写真を撮ってもらって妻はご満悦。



川沿いのニューハウン地区は建物が可愛くおしゃれで若者たちが群がっていた。

昼からは自由行動で私たちは「北シェラン島古城巡り」のオプションツアーに参加。


ガイドは32年間デンマーク在住の宮下さん。説明は丁寧で品があり分かりやすかった。
周囲を湖に囲まれたルネッサンス様式の「フレデリスクボー城」は、素晴らしかった。
内部の造りや調度品は、フランスのベルサイユ宮殿に引けを取らない感じだった。

シェークスピアのハムレットの舞台となったクロンボー城は夕焼けを背景に黒く浮かんでいた。今回の旅行での唯一の世界遺産。




行き帰りのバスの中でガイドの宮下さんから色々教わった。
風車のこと、大学までの授業料が無料なこと、医療費も無料だそうだ。ここデンマークは税金こそ高いが、福祉政策が行き届いている様子。
又、女性の地位が非常に高く国会議員や閣僚にもかなりのパーセント(約40%)で女性が選出されているとのこと。
今晩の宿は、「クオリティーエアポートダン」。名の通り空港の直ぐ側だった。


11月30日(火)、今日も自由行動で「アンデルセンの故郷オーデンセ観光」のオプションツアーに参加する。
詩人で童話作家のハンス・クリスチャン・アンデルセンを生んだデンマーク第三の都市オーデンセ。
アンデルセンの生家や幼年時代の家を見学。



アンデルセン博物館は彼に関わる色々な資料が豊富にあった。
外国に翻訳されている作家では、アンデルセンが世界一番とのこと。
貧しい靴職人の一人息子として成長したアンデルセン。プライドこそ高かったが現実は厳しく、その環境が醜いアヒルの子等の作品を生み出した。
生涯4人の女性に恋をしたが思いを遂げることが出来ずついに独身だった。
スエーデンのオペラ歌手であるナイチンゲールに振られて絶望したらしい。彼女の綺麗な魅力的な写真もあった。


夜は最後の晩ということで、チボリ公園のレストランで晩餐会を開いた。
バイキングでの肉料理だった。食べ切れなかった。
チボリ公園はデンマークの有名なアミューズメント施設。そのイルミネーションが美しく、クリスマスとサンタクロースのオンパレードだった。
今晩も同じホテルに連泊。



12月1日(水)、今日はヘルシンキ経由で大阪への帰国だ。
出発時間が午前10時の為、ホテル周りを散策。みやげ物店やスーパーを覗く。
12月2日(木)に関西空港に帰ってきた。
今回の海外旅行で初めて空港の駐車場を利用したので家から空港までドアーtoドアーということで便利だった。費用は8日間で14,000円。
北欧の旅は短く駆け足だったが、実際に行ってみて初めて北欧の生活が少しは理解できた。
フィヨルドや森と湖など自然の美しさにも感嘆したが、税金こそ高いが医療費や教育費が無料で、環境に配慮したエネルギー政策を採用していること等私たちの未来社会の一つのモデルとして教えてくれた。
(2004.12.5)
終わり
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