山登りをしている夫が良く参加している「サンケイ山の会」の関係でサンケイ旅行から届いたパンフレットに載っていた今回の旅行は、日程も良く代金もリーゾナブルで夫が7月頃に申し込んでいたが、先月のテロ事件で中止になるのかと思っていた。
スイスから帰国して9月下旬に旅行社に問い合わせたが予定通りとのこと。
私は心配で心配で「もう止めよう」と何度も夫に言うが「中国は大丈夫」の一点張り。
私は先月に続き今月も「絵手紙」と「万葉集」のおけいこを休む事になるので気が進まない。
そして迎えた出発日。今回も旅行中、息子に時々自宅へ帰り、犬のダンの世話や新聞・郵便物を頼んで、10月7日出発した。
10月7日(日)
関空集合12時40分。総勢21名のツアーでサンケイから永井君という添乗員がリーダー。
私達より少し年配の人が多く、この時期はやはり年金生活者しか旅行出来ないなと納得する。
スチュアーデスは中国人で男性も女性もいて、片言の日本語もしゃべれる。
14時40分発で2時間35分で広州に到着。すぐに国内線で桂林へ45分で到着。
日本との時差は1時間。だから到着時間は日本より1時間早い午後7時55分。ホテルまでのバスから見る桂林の町はイルメネーションが美しく、街灯も明るく想像以上びっくりした。
高速道路を飛ばして到着した「桂山大酒店」は4つ星の豪華なホテル、部屋も大きく設備も完璧。
スイスのホテルには設置されていなかった湯沸かしポットもあり、とても重宝した。
前回の旅行で設備がなく困ったので購入してせっかく持って来たのに、必要なかった。
朝食もバイキング式の西洋風で洗練されているし、レストランなどのトイレもきれいでチップも要らないし、観光に力を入れているのが感じられた。
8日(月)
今日はあいにくの曇り空。今回の観光のメイン「璃江下り」。船着き場までのバスの中から人々の朝の生活を垣間見る。
出勤時間なのか自転車が多く、小さな店から表に出したテーブルで朝食を食べている姿が多い。
また中国は10月1日の国慶節を祝って、1日から7日まで休日だったとのことで、町のあちこちに赤い幕を張ってお祝いムードだった。それと道路工事や橋の工事が多いのにも驚いた。どんどん街が美化されているのを感じる。
1日1便の船に乗る為、バスの運転手の飛ばす事、飛ばす事、川に近づくとデコボコ道になり、私達は大揺れに揺れ、船着き場に到着。
9時出帆と聞いて居たけど、30分ほど遅れても待ってくれているそうだ。
川の両岸は写真で見たような山水画の世界である。連なる奇峰を眺めてはシャッターを切るが、雨がポツポツ降り始め、気温が下がってくる。旅行前に読んだパンフレットでは、ここは亜熱帯で27度〜30度と思っていたので、半袖で参加した私は寒くて寒くて困った。
雨具を着込んで少しはましになったが雨はひどくなるばかり。昼食は昨夜と同じような中国料理。
オプションで注文した「くわい」と「たろいも」のフライが美味しかった。遊覧船には約5時間も乗り、これがいいお天気ならもっと良かったのにと残念に思う。
下船後、予定していた桂林市内観光は象の形に見える岩「象鼻山」だけを小さな船で見学して、ホテルへ戻る。
こんなに寒い日は珍しいとのこと。夜は広東料理と民族舞踊というので服を3枚重ねて暖かくしてレストランへ。
料理はメニューが何故かほとんど同じ。まずピーナッツの揚げた物、豆腐の腐らせたチーズのようなおつまみが出て、冬瓜のスープ、酢豚、くわいやタロイモなど野菜炒め、冬瓜の煮た物、酢豚、タイ米の焼き飯、もやし炒め、春雨炒め、おかゆが出る時もあり、最後に西瓜が出たらおしまい。いっぱい残って勿体無いが、いつも食べきれない。
民族舞踊は少数民族のそれぞれの踊りと中国お得意のアクロバット。アクロバットは小学生の女の子が2人、体の柔らかさと鍛えられた体に感心させられた。
終わったのが午後9時、帰りのバスで中国人のガイド「朴さん」から「足裏マッサージ」の案内があり、希望者を募る。
夫と一回やってみようかと参加することにした。1時間強で3千円は安いし、本場での経験で興味深々。
ツアーで参加したのは7人だけ。夜の9時半で時間も遅いし、敬遠したらしい。ホテルから10分で到着。
やっぱり連れて来てもらって良かった。場所も全くちんぷんかんぷん。まず一人づつの大きなソファーにリラックスして腰掛け、靴下を脱ぎ、両足を足乗せ椅子に伸ばす。一人づつ、若い女性が担当する。足許の桶で「薬草湯」を作り熱さを加減している様子で、両足を入れる。結構熱いが気持ちいい。緑色の液体の中でゆっくり洗ってくれ、いよいよ足裏マッサージ。
桶の上に先程の足置きをセットして足を乗せる。片足をきれいにタオルで拭き取り、タオルで包んでおく。
もう片方もきれいに拭いて、クリームのような物をつけて、足裏をぐっと押してくれる。
場所によっては思わず「痛い!」と顔をしかめると日本語が通じなくても「いたい?」と理解してくれる。
でもいい気持ちで思わず目を閉じて椅子に座ってられなくて、いつのまにかソファーに沈み込む姿勢になっている。
23才と言っていたが、中国人はもっと若く見えるのに、小さな手で結構、力がある。
ツボを押しているから本当に気持ちいい。両足が終わって靴下を履き、座りかえると、今度は肩から腰にかけてマッサージをしてくれておしまい。
とても足が軽くなった感じで、最高。ホテルまで送ってもらって、もう11時。丁度い疲労感で夜はぐっすり眠れた。
9日(火)
朝起きると快晴!今日は尭山(ようざん)ハイキング。
バスで登山口まで行きロープウエイ乗り場まで約30分は、せっかくだからハイキングに参加した。
中国人にはハイキングの趣味・習慣がないとのことで、道はちゃんとした表示が無い。
今回は日本からの添乗員・永井君は6回目のツアーで道案内をしてくれる。棘のある草などを掻き分けながら進むと、広い平原に石像物があちこちに立っている。ガイドの説明では中国の明の時代に造られたとのこと。
狛犬にそっくりな像や馬や虎や法師さんが並んでいる。整備されず、風化しないかと心配するような情景だった。
私達より大きい像の前で記念写真を撮って、少し登り道を進む。最後尾で歩いていると前の人が全員トイレへ入って行く。
そこが登り道なのかと付いて行ってびっくり。そこはケーブルカーの乗り場前だった。
歩く人は、いよいよ出発。私を含めて6名はケーブルカーで頂上へ。2人乗りリフトは35元、日本円で500円と安い。
私は四条畷の高橋夫人と乗った。お菓子作りの情報交換をしたり、おしゃべりしていると、中間駅を通過。
すると、私達のツアーの歩いたメンバーの内、8人程は中間駅からケーブルで頂上へ行くとのこと。
夫は既に上へ歩き始めているのが見えたので、「おとうさあん」と叫び、上手くこちらを向いて手を振った時に、カメラに撮った。
あとで他の人に「あんたの声がこだまして響いてたわ」と冷やかされた。頂上を目指した7人は約2時間かけて登ってきた。
四条畷のOさんと一緒に「この道から登ってくるはず」と待ち伏せしていたら、私達の姿を見つけて他の人もやってくる。
6人ほどでそれぞれの御主人が到着するのを待っている様子になる。
まず、添乗員の永井君を先頭に次々、登頂。女性2人に男性5名。
夫は一番最後にやって来た。なんでも皆の面倒を見てアンカーで歩いてきたらしい。
結構、ガラ場の直登の道ばかりで「とてもとても、無理や」と夫に言われ、納得。
全員ケーブルカーで下り、レストランで昼食。メニューは同じ。先日の雨で行けなかった市内観光で「しょう乳洞」見学。沖縄でも見たが、ここは規模が大きいし、カラーライトを上手に使い、大きな街に見えたり、動物に見えたり、カーテンに見えたり、感心した。
お土産屋さんで「これ、いくら?」と日本語で通じるのがおもしろかった。ひやかしたり、買ったりして楽しんだ。
漢方薬の病院のような所へ引卒され、肩凝りの人、糖尿の人、腰痛の人はこの薬、と薦めるが、大体1万円前後で、私は買わないと決めて話しに乗らなかったがツアーの数人が購入していた。その後は中国茶のお店へ、今、日本でも流行している「中国茶の作法」を見ながら、お茶を頂く。
健康の為、毎日飲むお茶だから無駄にならないと考えて「一葉茶」と「糖減茶」を買った。
まだ、5時半だけれど、8時過ぎの国内線に乗る為、最後の夕食となる。広州名物料理「子豚の丸焼き」をパホーマンスして見せて、それを頂いた。北京ダックのような感触でパリパリしていた。
他の料理はいつもと同じメニューでいっぱい残す。国内線で広州到着は午後9時頃。
ホテルまでのバスで「珠江」のほとりの高層ビルのホテルがあるので、すごい進んでる街やなあと見ていると、今日の私達のホテルはその「Hotel Landmark Canton」の25階だった。
五つ星かしらって思う位に、設備も完璧だったので中国とは思われない。リッチな1晩を過ごすだけで、もう翌日は関空へ。
10日(水)
朝、6時50分ロビー集合で、広州国際空港へ。9時20分頃出発で、関空着は13時20分。
時差を引くと約3時間のフライトで疲れない。あっという間の旅行で、国内旅行のような感覚で私は今年3回目の海外旅行を終えた。
終わり
(記述日:2001.10.20)
(掲載日:2003.2.17)