
イベリア半島のほぼ真ん中に位置するマドリッドは、人口500万人を越えるスペインの首都。海抜650mでヨーロッパの首都で一番標高が高い。
マドリッドの歴史は比較的新しく、1561年にフェリベ2世がトレドからマドリッドに遷都してから始まる。

なにはともあれ「プラド美術館」を見学。パリのルーブル美術館、ロンドンの大英博物館、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館とともに世界的に有名な美術館である。私も今回の旅の重要な目的の一つだ。門の前にはベラスケスの像があった。

ゴヤでは、「裸のマハ」と「着衣のマハ」を見た。宮廷画家だったゴヤが、当時誰も描かなかった裸体を描いて有名になった。
現地ガイド氏曰く。「駄作とは言わないが、モデルが誰かで皆の関心を集めた作品」。

カルロス4世の宮廷画家となったゴヤは、「カルロス4世の家族」を描く。この絵は、中心はカルロス4世でなく、隣に立っている妻の傲慢な姿だ。二人の子供(愛人であった宰相との間に出来た子供)を両脇に王を見下している。左から4人目の女性は顔を描いていない。
肖像画で顔を描いていないのはこの絵のみという話。


ゴヤは宮廷画家のみならず、フランスに抵抗する民衆の側に立った絵も残している。
ナポレオンの侵略に抵抗する民衆を描いた「5月2日」と「5月3日(モンクロアの銃殺)」。この絵は、顔を見せないフランスの銃殺兵と、今まさに銃殺されようとする民衆の、過去・現在・未来が描かれている。光が当てられているのは、両手を高く挙げ、堂々と未来の勝利を確信する白い服の民衆だ。私が最も感動した絵だ。
ゴヤの晩年の「わが子を喰らうサチュルヌス」のような「黒い絵」もあった。

「もっとも純粋なスペインの魂」を表現していると言われたエル・グレコ。「受胎告知」や「聖三位一体」。ベラスケスの「ラス・メニナス」。ムリーリョの「良い羊飼い」。ルーベンスの「三美神」。ラファエロの「羊を連れた聖家族」。

王宮の荘厳さには圧倒された。小さなスペイン広場には、ドンキホーテと従者サンチョ・パンサの像。その後ろにはセルバンテス。


昼食は久しぶりの「日本食」。美味しかったがもう少し前ならもっと良かった。明後日はもう日本だから。

昼からは自由時間。オプションツアーで「トレド」へ行く。
赤茶けた荒涼たる大地の上に忽然と広がる石造りの中世都市「トレド」。かってスペインの首都だったトレドは、タホ川が巡る海抜530mの岩山の上に広がっていた。

城壁で囲まれた旧市街は世界遺産(15)でもある。街の真ん中にひときわ高く聳える大寺院。スペイン・カトリックの総本山というべき寺院。聳える高さ90mの鐘楼が壮観だ。門には見事な彫刻。

その他アルカーサル等見学。中世の街並みを散策。スペインにもう満足した。

ホテルで最後の晩餐。多いに盛り上がる。

1月29日(水)早朝3時半にモーニングコール。マドリッド発6時40分のルフトハンザで帰国の途に着く。
フランクフルト経由で、30日(木)の朝8時40分に関西国際空港に着いた。

今回の旅は非常に長かった。世界遺産も15箇所見た。スペインも良かったが、私はポルトガルが気に入った。
もしヨーロッパでのロングステイするなら、ポルトガルは第一候補になるだろう。
終わり
(記述日:2003.2.11)
(掲載日:2003.2.11)
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