赤石山系の宗家ー赤石岳











荒川小屋は荒川岳と赤石岳の鞍部にある。標高2600mぐらいだ。
昨日の強行軍と飲み会で朝起きるのが辛い。4時起床。4時半朝食。ご飯は軽く一杯。おかずは全部食べた。
5時出発予定の為、すばやく用意し外に出る。準備体操して皆が出てくるのを待つ。御来光前の東の山なみの上にぽっかりと富士山が浮かんでいる。幻想的な風景だ。
弁当とお茶500ml、水1500mlを持っていく。二日酔いの為、今日は水を良く飲むとしょう。
登り返してトラバースの道を大聖寺平へ。大きなケルンの横からガレキの斜面を登る。風が強く吹き飛ばされそうだ。
ガスがかかって展望は期待出来ない。もくもくと歩く。「あれ!ブロッケン現象だ」との叫び声。太陽を背に向うの山に人間が写っているではないか。しかも虹のような楕円形の中に納まっている。太陽が雲に隠れると消えるが、又現れる。後背が二重になった神秘的な映像もあった。生まれて初めて見た「ブロッケン」に大感激。私が手を上げれば仏も手を上げたので、間違いなく仏は私だ。



稜線上の小ピークが小赤石岳だったが気づかなかった。まもなく椹島への分岐点があったので、荷物を置いて赤石岳に登る。7時31分に頂上に立つ。標高3120m。ガスがかって相変わらず展望は良くない。時々ガスが流されて、聖岳が姿を見せた。
一段下の窪地に「赤石岳避難小屋」が見えた。


ここから午後2時までに椹島へ戻らねばならない。最終バスの時間だ。遅れたら又椹島ロッジ泊まりだ。温泉は無い。標高差2000mを一気に下る。


分岐点に戻り、北沢の源流帯を降り、9時過ぎに富士見平に着く。小休止。10時前に本日泊る予定だった「赤石小屋」に着く。
トイレ休憩のみでひたすら下る。シラビソの樹林帯を黙々と下る。道は良い。
1時過ぎに椹島に戻ってきた。5時間ほどで約2000m降ったことになる。メンバーの中には足が痛かった人もいたようだが、私はどうも無かった。



昨日の2000mの登りといい、今日の赤石を登って後の下り2000mといい、たいしてしんどくも無く踏破出来た事は今後の自信に繋がるものと思う。
今日の赤石岳登山で深田百名山58座目だ。



バスで田代温泉の 「民宿ふるさと」に行く。アルカリ泉の温泉に浸かり、疲れを癒す。夕食は宿のご主人が獲った鹿と猪、ヤマメに山菜だ。詳しくは「ふるさとの」のホームページ参照。皆でビールで乾杯。山談義が盛り上がる。



翌日8月29日、朝食前に温泉に浸かり、田代の部落を散策する。てしゃまんくの力だめし石のある薬師堂。南アルプスの美味しい水が湧き出ている「お井戸」。ひしゃくですくって一杯飲んだ。冷たく美味しかった。この奥に諏訪神社がある。又、大無限山登山道もある。


名主の土蔵・石垣等々。秋葉灯篭。南アルプスオートキャンプ場。上流のダムからの放水のサイレンがなり、大井川の水かさが増えた。
朝食の後、帰りは金谷まで、南アルプスあぶとラインと大井川鉄道に乗ってゆっくりと帰ることになった。小学生の修学旅行みたいだ。


井川大仏と井川ダムの展示館を見学し、井川駅から列車に乗り込む。
実は私は「民宿ふるさと」に帽子をおき忘れ、着払いで送って貰うように電話していたのだが、ご主人がダムまで持ってきてくれた。
感謝感激。


2時間ほどの列車の旅は、宴会の続きと、昼寝の時間だった。
掛川で新幹線に乗り、京都で降りて、新田辺に帰り、妻の車で家に帰った。予定変更の為、夕食前に着く。



今回の登山は普通3日のコースを2日で踏破したことになる。強行軍ではあったが楽しかった。







  (2002.8.30) 

 



       終わり 












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