四阿山と根子岳(2000.9.14〜9.15)






昨年夏白山へ登ったきり、100名山は御無沙汰だ。一度荒島岳を計画したが台風で中止。

友人のI氏から「名鉄観光サービス」主催の荒島岳を誘われ挑戦したのが先週。1年ぶりの本格的な山登り。日帰りの為、全体標高差1200mの内、最初の300mの標高差を33分で登ると言う強行軍。
歩き出してアプローチもないままの急登につぐ急登。
最初はついていったが、途中で足が突っ張った。意欲はあるが足が言う事を利かない。シャクナゲ平の手前で遂にリタイヤ。

ここ数年、山に登っているが、計画を中止してリタイヤしたのはたったの2度だけ。
一回目は富士登山で8合目の宿所から台風の為、全員下山させられた事。
2度目は恵那山への単独行の時、予定の登山道ががけ崩れの為、迂回して登り出したが、一山向こうの頂上を前にして、ぽつぽつ降ってきた事と、時間的に元の駐車場へ戻るのは日が暮れてからになると判断し、涙を飲んで引き返した事だ。
少なくとも足の突っ張りやあごを出して山登りを中止したことは一度もない。
それだけに残念なことと、年のせいか,もうこれまでと同じように山に登れないのかと言う不安な気持ちが交錯した。

9月14日(金)夜、会社が引けて、一度家に帰り山装備をして10時30分に近鉄・地下鉄竹田駅に集合。
今回はバス5台、総勢230名の大パーティらしい。
池田氏と前途を祝してビールで乾杯。直ぐに消灯時間。途中「峠の釜めし」で有名な「おぎのや」で休憩。車中泊。上信越自動車道の菅平ICで降りる。


朝6時にダボス牧場駐車場(標高1590m)に到着。準備体操を一人で入念にこなし、6時20分出発。
牧場の横をゆっくり歩く。なだらかな草原の道だ。前も後ろも人また人。まさしくアリの行列だ。私も一匹のアリだが。
しかしそのお陰でペースは非常に遅い。1週間前の筋肉痛が程よい刺激で解れていくようだ。
マツムシソウの大群落。エゾリンドウ等可憐な花のオンパレード。1時間程で標高1917mの小四阿に着く。
休憩なしに先を急ぐ。ダケカンバの純林。2106mの中四阿らしき所を通過。天気が良く見晴らしは最高。疲れが全くない。
心配していた足も今の所大丈夫。大集団の先頭を歩く。ピッチは快調。ハイマツと笹の道をゆっくりと確実に歩く。リズムがいい。
遂に稜線に飛び出す。根子岳はここから左。右へ行けば四阿山頂上だ。
頂上(標高2354m)と三角点(標高2333m)を目指す。
10分程で到着。景色は最高。遠く槍の先っぽが確認され、左の大キレットが大きく落ち込み穂高連峰が見えている。
雲の上に乗鞍岳と御岳が浮かんでいる。又右手には剣と後立山連峰。これほどの上天気はないそうだ。

今回は一度の休憩もなく、水も飲まず、何も食べず、標高差700mを2時間半程で登り切った。
足は大丈夫。又これで山へ行ける。喜びがじわっと体中に広がった。

支給された弁当を食べ、根子岳へ向かって出発。急な下りだったが、私は下りが得意。
根子岳への上りは緩やかな草原。根子岳は先日亡くなった田中澄江の「花の100名山」だ。
ここから望む四阿山は庭の休憩所のあの四阿だった。1時間ぐらいで元の駐車場に戻った。
帰りは菅平温泉で汗を流した。
天気が良く、自信を取り戻せてくれた最高の山だった。誘ってくれたI氏に感謝。深田100名山の約3分の1、34座目だ。

四阿山と根子岳





登頂証













終わり

(記述日:2000.9.15)
(掲載日:2003.2.13)








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