北アルプスの山は若かりし頃少しだけ登っていた。
私の初めての山らしい山は、燕岳から大天井岳を通り槍ヶ岳に泊り、北穂から奥穂高に登り飛騨側に下りて一日中温泉に浸かっていた山行。
雪渓を歩いて白馬岳に登り、お花畑を堪能しながら朝日岳を通って日本海側に降り、東尋坊に遊んだ日々。
最近、深田百名山を意識してから乗鞍岳・立山・剣岳・焼岳ぐらいのものか。
今回の五竜岳・鹿島槍ヶ岳は後立山連峰の中心地で期待していた。
8月3日(日)に集まったのは、男性12名女性10名のパーティだった。珍しく男性が多いのは、9mmのロープとカラビナ持参という案内にいつもは多い女性陣が遠慮した為か。
毎日新聞旅行の添乗員は旧知の山本さん。案内のリーダーは現地ガイドの海川さん。

一日目は白馬村の
「ホテルおおね」まで。ゆっくりと温泉に浸かる。

8月4日(月)、天気は良い。八方尾根スキー場へ行き、リフトを乗り継いで八方池山荘まで楽をさせてもらう。

私にとって八方尾根は思い出多い場所だ。私よりスキーは上手な彼女と八方尾根に滑りに来て、黒菱小屋に泊ったが、次の日彼女は足を捻挫。スキーを担いで松本駅まで戻り、駅前の喫茶店でプロポーズ。

7時55分、唐松岳への登りは天気も良く、展望が又素晴らしかった。

白馬三山(白馬岳・杓子岳・白馬鑓ヶ岳)の雄姿が青空に映えている。

黒菱平から八方池へハイキングのようだ。荷物は50リットルのザックで重いが、道は整備されている。

遠くに今回の山行のメインでもある「鹿島槍ヶ岳」が美しい双耳峰を見せている。

白馬岳から唐松岳への稜線が鮮やか。不帰のキレットが不気味に存在していた。

八方池の横を通り、いくつかのケルンを見、高山植物を愛でて、扇雪渓から吹き上げるひんやりとした風に心地よさを感じる。

10時22分に丸山に着いた。




明日登る予定の五竜岳が存在感を増してくる。

途中で雷鳥の雛を見つけた。親鳥は警戒の囀りを盛んにするが、雛は一向に気にしない。


立派な唐松岳頂上山荘前に荷物をデボし、私達は空身で唐松岳に登った。

11時7分に唐松岳頂上(標高2696m)に達する。ここで昼食弁当を食べる。

展望は最高だ。ごつごつした感じの五竜岳がひときは立派に見える。


剣岳や立山連峰もはっきりと確認。




12時40分に唐松山荘を出発。五竜岳に向かって縦走開始。
道の両側には色々な高山植物。名前を教えてもらうが覚えられない。

このコースは岩場の連続と言った感じ。皆慎重にゆっくりと歩む。

ハシゴや鎖場では直ぐに待機。どうしても女性陣は苦手みたいだ。

待っている間に、写真を撮る。ハクサンシャクナゲ・イワギキョウ・トウヤクリンドウ。





遠見尾根分岐点を越え、白岳を乗り越えて本日の宿
「五竜山荘」に到着。3時30分だった。

山荘前で虹を見た。

山小屋は満員で、6畳一部屋に男性12名がすし詰めとなった。山ではしょうがないと覚悟を決める。

8月5日(火)4時半起床。6時出発。

1時間一寸で五竜岳頂上(標高2814m)に到着。時刻は7時15分。

深田久弥が気に入っている「鹿島槍ヶ岳」が近くに見える。

展望は最高だ。立山と剣岳。鹿島槍ヶ岳への稜線。歩いてきた唐松岳への山並み。

ここから鹿島槍に向かって、八峰キレット手前の「キレット小屋」までの縦走だ。

五竜岳は百名山79座目だ。


終わり
(記述日:2003.8.9)
(掲載日:2003.8.9)