ロマン漂う早池峰
昔から早池峰には憧れていた。名前もさることながら柳田国男の「遠野物語」の影響か。
日本のエーデルワイスといわれるハヤチネウスユキソウが咲く早池峰。
薬師岳と早池峰との鞍部にある小田越は亜高山帯の標高(約1300m)にある。今日はここからの登山だ。早池峰は標高1917mなので今日は標高差約600m程登るだけだ。しかし岩山なので注意が必要とのこと。
朝食だけおにぎりを持って行き、昼食は「峰南荘」に戻って食べるとのこと。
私は今日の予定を聞き、サブザックにする。又岩山なのでストックを置いていく。

9月22日(日)4時半起床。5時に宿出発。バスで登山口の小田越まで行く。登山口で朝食。6時登山開始。ここは標高1305mだった。
樹林の中の木道を歩く。6時半休憩。標高は1470m.薬師岳が目の前に良く見えた。6時58分立休憩。
リンドウの深い青色が印象的だ。

7時39分5合目の御金蔵に着く。標高1775m.既に半分以上登ったことになる。
ハヤチネウスユキソウらしきものがあったが自信は無い。
コースの殆どは岩稜だ。ストックを置いてきて正解だった。鉄梯子を登り、まもなく剣が峰へ通じる稜線に出た。
巨岩と草花の織りなす自然庭園を行くようになる。赤や黄色の紅葉が今盛りと周り一面。8時50分頂上に到達。ガスの為展望は良くない。

雨に降られなかっただけ儲けものか。
9時に下山開始。10時14分5合目。11時過ぎにバスのいる小田越に帰って来る。
今日はあっけない登山だった。深田百名山66座目となる。この調子なら何とか今シーズン中に70までいきそうだ。

「峰南荘」でラーメンを食べ、渓谷美の厳美渓を覗く。皆で記念撮影の後、焼き岩魚をほおばりバスに戻る。
湯煙立ち上る名湯である「須川高原温泉」に向かう。
今日は最後の晩なので「打ち上げ宴会」となる。

露天風呂で汗を流し、大きな畳式の大広間で宴会が始まる。長老の園田さんの乾杯の挨拶。お酒が入り皆良い気分となる。
カラオケがセットされた。リーダーの田中さんや森田さん、岡山さん等が歌う。私も引っ張り出され「道ずれ」を歌うも、久しぶりの為音程が狂っていたと思う。

女性のSさんが「河内音頭」を歌い、副責任者の楠原さんが日本舞踊(なんでも17年間稽古しているそうな)を踊りだす。
例のMさんは裸になりながらおどけた踊りを披露する。
女性のTさんが本格的な演歌を歌いだすと、席から「おひねり」が投げられる。「おひねり」が無くなったら定期入れやザブトンまで投げられた。

こんなのをどんちゃんさわぎと言うのだろう。楽しかった。
最後はリーダーの「青春時代」で皆が輪になって踊り狂った。

私は寝る前にもう一度温泉に浸かりぐっすりと熟睡した。リーダーが寝言を言ったか言わなかったか私は一度も起きなかった。

9月23日(月)今日は200名山にカウントされている「栗駒山」登山だ。標高差約400mの往復コース。
4時半起床。5時13分に宿を出発。私は今日もサブザック、しかしストックは持っていく。ストックは足や膝をカバーするのに大変重宝だ。
私は数年前足を吊ったことがあるが、ストックを使い出してからは一度も無い。

栗駒山は活火山なのか道中の彼方此方から噴煙を上げている。地獄谷を通過する時は休憩なしに小走りで歩く。
6時16分に「昭和湖」に到達。朝ごはんとしておにぎりを食べる。「昭和湖」の水は乳がかった青緑だった。
6時45分に出発。7時37分に天狗平(標高1570m)で休憩。

栗駒山は既に紅葉が始まっていた。回りの紅葉に皆が歓声を上げる。
写真を撮ったり撮られたり。今日はハイキング気分だ。
8時5分に頂上を踏む。標高1627m.ここは宮城・岩手・秋田の県境だ。ガスの為いつものように展望は無い。

10時過ぎに「須川高原温泉」に降りてくる。

バスで「猊鼻渓」に行く。立派なお膳の昼食後、川くだりをする。皆が船に乗っていざ出発となっても、例のMさんが来ない。
仕方なしに船を出してもらうと、船着場にやっと現れ、モーターボートに乗せてもらって追いかけてきた。いつも世話を焼かせる御仁だ。

多分本人は迷惑をかけているという自覚がないのだろう。

船べりから清流を見れば、鱒や鯉が餌を貰いにやってくる。ここまで良く慣らしたものだ。

東北で有名な庭園として名ざかい「毛越寺」と平泉の中尊寺を観光し、平泉前沢ICから自動車道に乗る。

9月24日(火)朝、JRの始発に合わせて4時半大阪駅に着く。環状線に乗って「鶴橋」まで行くも、近鉄はまだ動いていなかった。
早朝6時半に妻に「生駒駅」まで迎えに来て貰う。いつものことながら感謝感激。

今回の「山と友の会」の登山は、いろんな意味で面白かった。リーダーの田中さんの愉快なキャラクター。楠原さんや森田さんの真面目さと面白さ。


私はこれからも参加しょうと思った。

(2002.9・26)
終わり
「深田100名山登山記録」ページに戻る