今シーズン初の深田百名山。今年は3月にマレーシアのキナバル山に登ったきりだ。足が体が鈍り切っている。
深田百名山73座目は南アルプスの鳳凰山だ。鳳凰三山は、地蔵ヶ岳、観音岳、薬師岳を指す。

5月3日(土)朝8時45分に京都「竹田駅」に集合。今回は毎日新聞旅行のツアーだ。時間より早めに行って待っていたがバスは来ない。
京都の庭師Tさんと一緒に待つ。昭和23年生まれだそうだ。

連休初日の為か、渋滞に巻き込まれたのか。やっと10時過ぎにやってきた。
添乗員は旧知の福島さん。総勢26名。男性は12名。お隣は同年輩のMさん。宝塚に住んでいるそうな。

バスは名神から中央道にはいり、たいした渋滞も無く飛ばす。天気は最高。右手に今年こそ登りたい聖岳・光岳が見えてきた。

続いて昨年登った塩見岳・間ノ岳・北岳。仙丈岳・甲斐駒ガ岳が雄姿を見せ付ける。左側には空木岳・宝剣岳が姿を見せ、やがて
木曾駒ガ岳が現れる。我々「山屋」にとって胸が躍る瞬間だ。

諏訪湖の横を通って八ガ岳が見えてくれば目出す南アルプスはもうすぐだ。韮崎ICで高速自動車道を下りる。

今晩は芦安温泉の「岩国館」泊まりだ。温泉に浸かり美味しい夕食を食べて早めに就寝。


5月4日朝4時起床。4時50分バス出発。夜叉神峠登山口を5時登山開始。標高1300m。広い登山道を峠までゆっくりと歩く。広葉樹林帯を古い炭焼窯跡や小さな祠を見ながら登っていく。6時15分夜叉神峠(標高1770m)に着く。白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)が美しく眺められた。

峠からクマザサの道をゆるやかに登っていく。杖立峠には7時57分に到着。標高2175m。約半分は登ったことになる。少しも疲れていない。足の調子は良い。シラビソの樹林帯に入ると間もなく苺平に着いた。9時49分、ここは標高2524m。直進して歩きやすい道を下る。視界の利かない樹林帯を抜けて10時34分に南御室小屋に着く。この当たりから雪景色だ。


ダケカンバの林と白砂の道を登って大きな花崗岩を見て、砂払岳に到着。鞍部の薬師小屋に12時25分に着く。


白い砂礫の斜面を登り12時44分に遂に薬師岳を踏む。標高2780m。展望は最高。富士山・八ガ岳・中央アルプス・金峰山そして北アルプスも霞んではいるが見渡せた。南アルプスはまじかに確認できた。


甲斐駒ガ岳・仙丈岳・北岳・間ノ岳・農鳥岳。遠くに悪沢岳も確認。

頂上は仏のような岩だった。なだらかな稜線を歩き観音岳(標高2840m)に向かう。午後1時35分頂上を踏む。今回の登山の最高峰だ。一人の女性が高山病に苦しむ。それでも遅れて付いて来る。

私は久しぶりの登山だが、少しもしんどくない。この調子なら今年も頑張れそうだ。



岩とダケカンバの稜線を鞍部に下る。もう一度岩稜帯を登ると赤抜沢ノ頭に出る。右に下って地蔵岳に登る。


この当たりが一番辛かった。しかし足は快調に前に出た。3時10分に頂上に着いた。目の前にかの有名なオベリスクが聳えている。ここで休憩。



数人はかのウエストンが初登頂したというオベリスクの基部まで行くが、私は横になって見学。





下って午後4時半に「鳳凰小屋」に到着。寝る場所を確保し、堀炬燵のある部屋で仲間と団欒。夕食のカレーは珍しくお替りが出来た。
消灯時間の8時までまたまた団欒。ベテラン女性が持ってきたバーボンを嗜む。


5月5日(月)朝5時小屋出発。雪道を下る為アイゼン装着。五色滝・白糸の滝・鳳凰の滝・南精進の滝を楽しみながら下る。

途中白エリンソウの可愛い花を愛で、笹の花を始めて確認する。このあたりは山ツツジが満開だ。彼方此方にまだ山桜が咲いていた。

10時にドンドコ沢を抜けて堰堤に出る。30分で青木鉱泉に降りてきた。

バスで50分の温泉で汗を流し、幕の内の弁当を食べる。
午後8時前に新田辺まで妻に車で迎えに来てもらい、生駒の我が家に帰る。


終わり
(記述日:2003.5.7)
(掲載日:2003.5.7)