信州安曇野の人々は、落ち込んだときは「常念を見よ!」と言われて育ったそうな。
確かに常念岳は風格と威厳に満ちた常念山脈の盟主だ。
毎日新聞旅行で、南の蝶ヶ岳から常念岳の頂上を踏み、大天丼岳を経て燕岳へ行く縦走コースが計画された。
昔40年前に燕岳から大天丼岳を経て槍ヶ岳・穂高を歩いたことがある。どのように変わっているのだろう。
7月16日に大阪梅田の毎日新聞社前に集合したのは、男9名と女3名の12名だった。リーダー兼添乗員は川村さん。
最近男性の参加者が多くなったような気がする。珍しく知り合いは女性の久岡さんだけだった。

高速バスで名神・東海北陸道を通って、飛騨清見ICで下車。上高地のバスターミナルまで入る。そこから歩き出す。


有名な河童橋を横に見て、明神を通り徳沢ロッジには午後3時半頃に着いた。森の中の静かなロッジだった。風呂に入れたのはびっくりした。


7月17日(土)早朝5時出発。樹林帯の急登を歩き長塀山を目指して、尾根を登る。

何時ものようにラストを歩く。道はジグザグに登っていた為しんどくなかった。途中3回の休憩を取り、8時41分に長塀山(標高2565m)頂上。

そこから1時間程で蝶ヶ岳(標高2677m)山頂に立つ。展望は悪い。ガスが発生。蝶ヶ岳ヒュッテで1時間休憩。10時40分出発。
蝶槍を始め幾つかのピークを超え、ひたすら常念岳を目指す。ガスが掛かり槍・穂高が見えない。途中から小雨がぱらつき始める。
ニッコウキスゲや多くのお花は道中を楽しめてくれた。久しぶりにギョウリュウソウ(ユウレイソウ)も見た。
午後3時に常念岳(標高2857m)を踏むも展望はさっぱりだった。記念写真を撮って直ぐに下山。常念小屋を目指す。





常念小屋は満員で三つの敷布団に5人が寝ることとなった。一緒に苦労して登ってきたため皆は直ぐに友達になった。
男性では家永さん、間さん、近藤さん、末廣さん女性では久岡さん、名和さん、山崎さん。山崎さんは100名山完登者だった。



7月18日(日)今日も5時出発。天気は台風のせいか悪い。途中で上下の雨具を着る。




尾根筋を大天井岳を目指して歩く。尾根の西風が強い。吹き飛ばされそうだ。雹か霰か顔に当たって痛い。突風が来たときはしゃがんでストックで突っぱねた。


大天井岳(標高2922m)はこのあたりで一番高いところだ。



大天井岳から燕岳への道は表銀座コースだ。この道を作った喜作のレリーフを見、切通岩・為右衛門吊岩・蛙岩等の岩塊を通って燕山荘に着いた。この山荘は想像以上の大きさだった。迷子になるぐらいの規模だった。夕飯の時オーナーがホルンを吹いてくれた。

山荘に着いて直ぐに空身で燕岳を往復した。




7月19日(月)6時出発。今日は中房温泉への下山だけなので気が楽だ。
およそ3時間の下山だった。合戦小屋では寒くて名物のスイカを食べる気が起こらなかった。
穂高温泉郷の「しゃくなげ荘」で温泉に浸かり、昼食を食べた。
帰りは豊科ICから乗り、6時ごろに大阪に戻ってきた。
この常念岳登山で深田100名山は97座目だ。
残り三つとなったが、北海道の幌尻岳は昨年の台風で登山道がずたずたにされ、やはり今年度中の復旧は無理となった。
空木岳は8月、黒部五郎岳は9月に登る予定だ。
幌尻岳は来年の楽しみに取っておくとしょう。
次に登山道中の高山植物を載せる。殆ど蝶ヶ岳と常念岳の写真だ。常念から燕への縦走は風と霰で写真どころでは無かった。








































終わり
(記述日:2004.7.20)
(掲載日:2004.7.22)