火の山「雌阿寒岳」
マリモで知られる阿寒湖を挟んで雄阿寒岳と雌阿寒岳が対峙している。
静かな佇まいを見せる雄阿寒岳と今なお噴煙を吐き続け、荒々しい地肌を見せる活火山の雌阿寒岳。今回登るのは雌阿寒岳(標高1499m)。
深田久弥が登ったのは雄阿寒岳(標高1370m)。当時噴火の為雌阿寒岳は登山規制中。
30年前、妻と娘と三人で訪れたときは遊覧船に乗ってマリモを見たっけ。アイヌ姿の観光写真が今でも残っている。
今日も雨。体がだるい。昨夜の「はしゃぎすぎ」が残っている。
7月8日、朝早く6時に
「ホテル阿寒湖荘」を、朝食のおにぎりを持って出る。昼には又戻って温泉と昼食だ。
登山口の雌阿寒温泉に着く。標高760m。6時46分登山開始。
アカエゾマツ林の中をゆっくりと登る。1合目辺りから急登となる。ゴゼンタチバナの白い花が可愛い。葉が6つのしか花を持たないという話だが、途中で4枚の葉しかないのに花が咲いている固体を2本見つけた。何でも例外はあるものだ。
ハイマツの中を歩いて、7時46分休憩。標高1100m。頂上まであと標高差400m。
71歳のOさんがまた遅れている。昨夜温泉の中で「明日はどうしても登る。もし登れなければ百名山を諦めざるを得ない」と言っていた。
多分今日は遅れてもゆっくりと登ってくるだろう。
裸地の中をジグザグに登り高度を稼ぐ。高山植物が一杯あるが、止まって確認する元気も無く、ただ黙々と歩く。
9時6分にやっと雌阿寒岳頂上に着いた。霧の為見通しは悪い。殆ど何も見えない。おまけに風がきつく寒い。
直に降りる。荒々しい火口跡から地獄の叫び声のような「ごー」といううなり声が聞こえる。
取り敢えず三山とも頂上を極めた満足感で、気分も軽く降りていく。
11時20分登山口に戻ってきた。今日の登山は標高差740mの軽い登山だったが、なんとなく一番疲れたみたいだ。やはり羅臼・斜里岳登山の疲れが蓄積してきたのだろう。
今日の歩数は16446歩。深田百名山の51座目だ。
宿に戻って温泉に浸かる。昼食は登りきった安心感から開放感へと昨夜の続きのような宴会だった。
バスで釧路空港へ向かう途中に釧路駅そばの「和商市場」に寄る。
12日に私の友がたくさん「かわせみ農園」に来るとのことで、ビールのつまみをを買う。ここの市場は新鮮な魚介類で有名だそうだ。
空港でTさんとラーメンを食べる。今回の旅で麺類は初めて、美味しかった。
釧路空港17時45分発、関西空港20時10分着。上六行きのバスに飛び乗って、9時40分に生駒着。
妻の運転する車で久しぶりに我が家に帰ってきた。
今回道東の三名山を登りきったこと、とりわけ標高差1400mを無事登ったことが嬉しい。
百名山完登への自信がついた。目標3年間ー早いうちにやり遂げたいものと思う。
(2002.7.11)
終わり
「深田100名山登山記録」ページに戻る