噴煙の那須岳






最近,少々飲み過ぎである。昨日の営業部門長会議を控えて,一昨日はN常務,広島のM店次長,名古屋のN部長と銀座のニュートウキョウで食事をして,アトラスで久しぶりに「道づれ」を唄った。
Mさんと二人でルパンのカウンターで一杯飲んだ。
昨日は会議後,銀座のアサヒビールで黒ビールを皆で飲み,大阪へ帰るI常務とO土木営業本部長を誘って,「1時間程,その辺でもう一杯」と云っているところ,O東京土木営業部長が,マージャンの誘いに私を探してやって来た。
「H副社長が待っているとのこと」。会議の席で,H社長の「土木一家云々」と云う発言があったことから,そちらへ行くことにする。
会社の前にあるガード下の雀荘に着くと,既に東京のY建築営業部長も来ていた。東京ルールでビールを飲みながら,感触を楽しみながら打つ。親の時,白,中をないて,皆の注目の中,発を積もって,親の大三元となる。久しぶりの役満だ。半分寝ていた副社長もビックリ,以後気合をいれて頑張る。半荘6回して,9000円の勝ち。明日の山行きの交通費を稼いだことになる。
準備して寝たのは午前1時。

1995:10:7(土)晴れ,5時30分に目覚ましが喧しく鳴る。目をこすりながらやっと起きる。眠たい。
上野発7:10の「あおば233号]東北新幹線に乗る。山姿で新幹線に乗るのは初めてだ。少々恥ずかしい。
上野駅で買った「釜飯弁当」が朝ごはんだ。8:15に那須塩原に着く。北に見えている山並みが那須連峰か。たなびく雲が噴煙に見えるのは,私の思い入れか。
普通に乗り換えて,黒磯で降りる。東野交通バス8:35発に乗り,約1時間で那須岳山麓駅に着く。目の前に噴煙を上げる茶臼岳が迫っている。
ロープウエイを待つ人の波。然もたいがい物見遊山の軽装だ。幻滅を感じながら,歩いて登る元気もなく 列の後ろに並ぶ。1時間待って,3分で那須岳山頂駅に着いた。 標高1700m,18℃肌寒い。
10:30 出発。ガレ場を少し登ると左に牛ガ首への道を分け,砂礫の斜面をゆっくり一歩一歩登る。荒涼とした火山礫の斜面だ。30分程で足元のあちこちから煙りが沸き出ている茶臼岳の頂上に着いた。旧火口跡の縁で,岩の上に那須岳神社の石祠が立っていた。西面の噴気孔から噴煙が吹き上がってきて視界が悪い。標高1915mだが,「アルチバロ」は2000を指し示していた。低気圧が近付いている。無理をしまい。
苺ジャムパンを一個食べる。水筒のお茶2杯飲んで,峰の茶屋目指して頂上を後にする。
朝日岳の岩峰を仰ぎながら,ごろごろした岩の間を下って行く。峰の茶屋は大丸温泉から三斗小屋温泉へ通じる道が越えている峠だ。少し手前で左へ分かれる道に入る。この道は茶臼岳西面の標高1750m付近をほぼ水平にトラバースする歩きやすい道だ。小火口(噴気口)がたくさんあった。ゴウゴウと云う激しい音と共に,硫黄臭い蒸気が噴き出している。高校時代の阿蘇以来の激しさだ。
高山植物はたいがい枯れていたが,スギゴケの絨毯の様な広がりが目を楽しませてくれた。
牛ガ首から見た茶臼岳は噴煙をたなびかせて美しかった。牛ガ首から200mほど下った所に道標のある分岐点があった。当初予定していた殺生石方面への道だ。丹沢の大倉バカ尾根以来,足が笑って下りは苦手だ。又昨夜の今日でもある。雨が近付いている。
ロープウエイで降りることにする。12時30分に山麓駅に着いた。13時5分のバス迄,おでんを当てにビール1本飲んだ。
午後4時前に上野に着く。息子から頼まれていた,しのばずオブジエフエステイバルを覗く。中込 潤の「とりかごに入る人」に投票する。シンプルでなかなかいい。息子が焼き肉を御馳走になることを期待する。
アメヤ横町でヒラメ,明太子,柿を買って帰る。
明日,雨なら家でゆっくり骨やすみしょう。明日は娘が折角上高地へ行くというのに,雨とは可哀想だ。仕方がないか。
ヒラメを煮て缶ビール1本だけで夕ごはんとする。柿1個剥いて,テレビを見て,午後11時頃布団を敷いて寝る。

終わり





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