信仰の山ー御嶽山
標高3067m、御嶽山は今なお山頂に蒸気が吹き出しているコニーデ型火山で信仰登山の霊山として全国に知られている。
昨年5月に妻とロープウエイで7合目まで行ったが、雪の為登れなかった。
8月、妻と娘と3人で挑戦しょうとしたが、乗鞍岳帰り道のアクシデントで果たせなかった。
今年こそ山頂を極めるべく、1998.9.12、早朝5時15分に家族3人で獅子が丘の我が家を発った。
名神から中央高速に入り中津川I・Cで降り、国道19号線を北上、木曽福島の手前で左折、御岳ロープウエイの鹿ノ瀬駅前の無料大駐車場(1500台)に駐車。ここは既に標高1570m、御嶽ロープウエイに乗って標高2150mの飯森駅に着く。
ここには御嶽社と高山植物園があり、レストランもあることから妻はここで待つという。
ロープウエイの最終が午後4時半ということから、娘と私は昼食もそこそこにして、午前11時15分に最高峰の剣が峰を目指して出発する。登山案内書の標準コースタイムで往復約5時間半かかっており、ぎりぎりだ。
シラビソの小径をトラバースして七合目の行場小屋に着く。そこから広い尾根道の木の階段を登っていく。
トウヒからダケカンバの森となっており、蒸し暑くブヨに悩まされる。
森林限界になりハイマツが見え始め、八合目の金剛堂に出る。休み無しで登って標準1時間のところ45分で着く。
娘の足もなかなか達者だ。ここは明治のはじめまで女人結界と称して、ここから上へは女性の登山は許されなかったらしい。
ここに女人堂小屋がある。ハイマツの混ざる急な道を登るとゴロゴロの岩の道になり、ゆっくりと休みなく登って九合目石室に着く。
約1時間だ。早いピッチで登ってきた事になる。娘は辛そうだが弱音をあげづに我慢して付いてくる。
頂上はすぐそこだ。ごつごつした岩の間をゆっくりと一歩一歩登る。やっと頂上に着く。2時間半で休みなく登ったことになる。疲れてもいず足の痙攣も無かった。調子はいい。娘は少ししんどそうだ。
標高3067mやっと御嶽山の頂上に立つ事が出来た。晴れてはいるが展望はもうひとつだ。
頂上直下の一の池は涸れていたが、二の池の真っ青な水面は別天地のようだ。
地獄谷から盛んに噴煙が上がり火山であることを実感する。
九合目の小屋でおでんをつまみにビールを飲む。旨かった。娘はやきそばを食べる。
帰りは来た道を一気に下る。娘は折角持ってきた登山靴を車に置いてきた為、運動靴で辛そうだ。久しぶりの登山の為、足ががたがたらしい。4時前に妻の待っているはずのロープウエイに着くが、レストランも閉まっており妻は降りて居なかった。
5時間近くも一人で寂しかったものと思う。後で聞いたところによると、七合目の行場小屋まで行ったらしい。
又高山植物を写真に撮ったりしていたが、展望台での1時間ほどの昼寝が悪く風邪をひいたとのこと。
前日申し込んだ「けやきの湯」に行く。川沿いのさびれた民宿だ。
温泉に浸かり、美味しい山菜料理や鶏なべを食べ、7時過ぎに寝る。
次の13日は早めに家に帰る事になったが、折角来たので黒沢口登山道四合目付近の「不易の滝」を見学。
深山の趣があり、ほとばしる水が冷たく、妻と娘も大満足。ついで御嶽湖の横を通り、王滝口登山道を車でジグザグ登り、「田の原天然公園」に着く。目の前に御嶽山が聳え立ち、昨日登った黒沢口登山道の九合目・八合目の小屋がはっきりと確認でき、あそこをしんどい思いをして登ったことが信じられない気持ちだった。
レストランで御嶽山を見ながら昼食をとり、娘の運転で中津川へ行く。サービスエリアでアイスクリームを食べ、運転を変わり、家まで3時間ノーストップで飛ばす。我が家には結局午後7時ごろに着いた。
三度目の正直で御嶽に登る事が出来た。深田100名山32番目だ。あと一つで三分の一登った事になる。来週は車から見えた「恵那山」に挑戦しょう。
(1998・9・15)
終わり
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