空木岳縦走
深田百名山98座目は空木岳だ。
毎日新聞旅行で「越百山・南駒ヶ岳・空木岳」を申し込む。
8月27日(金)19時に大阪梅田に集合する。大型台風16号が南シナ海に発生。台風が来る前に空木岳を登らねばならないが、どうなるかは神様しか知らない。
男性7名女性10名。リーダーは谷口さん。添乗員は川原井さん。どちらも私の知り合いだ。男性陣では村田さん他1名が山友達だ。女性陣では二人のYさん。
夜10時過ぎに中津川のホテル「ルートイン 中津川インター」に着いた。シングルの個室だった。ゆっくりと眠れて良かった。

8月28日(土)ホテルでバイキングの朝食を食べ、7時ごろホテルを出発。2時間近くかかって、伊奈川ダムの登山口(標高1080m)に到着。




8時55分に今朝沢橋を渡って登山開始。ゆっくりとラストを歩く。10時21分に下のコルの水場に着く。樹林帯を登る。
11時4分に上のコルに到達。ここは標高1749m。約標高差670mを2時間で登ったことになる。





女性のNさん(百名山達成者)が体の変調を訴え、一人で引き返す。撤退を決意する勇気は素晴らしい。
12時に展望台になり、弁当のおにぎりを食べた。美味しかった。ガスがかかり展望は良くない。
12時58分に上の水場で休憩。
1時56分に本日の宿「越百小屋」に着いた。標高は2445mだった。小さな小屋で男女一緒の相部屋だった。
夕食は5時半。今から3時間半も何をすれば良いのだろう。







当然村田さんや谷口さん、川原井さんらと酒盛りが始まり、Yさんらの女性陣も加わっての山談義宴会となった。私は普通はビール党だが、村田氏が高槻の地酒を持ってきていて、冷で口当たりがよくついつい飲みすぎた。
8月29日(日)、今日は越百山(標高2613m)、南駒ヶ岳(標高2841m)、そして空木岳(標高2864m)に登り、木曾殿山荘まで岩の灘場を下らねばならない。
朝5時40分出発。歩き出すが、二日酔いで気分が悪い。吐き気がする。力が入らない。台風が接近の為か、ガスがかり視界が悪い。
6時半に越百山頂上。7時59分に仙涯嶺(標高2734m)に到着。ここは標高100名山で女性のYさんは今回の山行きの目的の一つだったらしい。




9時19分に南駒ヶ岳山頂。11時42分に空木岳頂上。標高2864m。展望は悪いが私にとってやっと辿り着いたという感じだった。
体調は最高に不調だったが、足取りは一切遅れなかった。
もうあと1時間で本日の宿「木曾殿山荘」だと思うと疲れも無くなった感じ。
ところがリーダーの谷口氏曰く。「台風が近づいているので、もそ道路が塞がれたら帰れないから、出きれば今日中に下山したい」と。
さらに「誰か体調が悪く、どうしてもここに泊まりたいものは?」正直言ってびっくりした。
ベテランを自負する私として、しんどいからここに泊まりたいとは、口が裂けても言えないじゃないか。



頂上から木曾殿山荘までの下りは危険な場所が一杯あった。

山荘では、休憩すら取らず、素通りした。



それからただただ下りに下った。木曾義仲の力水、八合目、仙人の泉、六合目(北沢の吊橋があった)、五合目そしてうさぎ平でやっと林道。ほっとする。ところがそれから40分林道を歩いて、金沢土場に着く。
ここから伊奈川ダムの駐車場まで1時間20分間、またまた林道を歩く。結局2時間の林道歩き。足指が痛い。
6時前にやっとバスに着いた。
今日は約12時間の歩行時間。二日分を一日で歩いたことになる。山道25kmの歩行は、熟達コースで、保証するとは谷口さんの話。





本当に疲れた。バスに乗って2時間。昨日泊まったホテル「ルートイン 中津川インター」にチェックイン。
今日も個室だ。外へ夕食を食べに出る元気もない。即席の天ぷらそばを少しすすり、風呂に入って直ぐに寝た。
8月30日(月)、下界の天気は晴れているが、山の上はガスで見えない。
台風の前に下山したことは多分正解であったと思うが、私にとっては本当にしんどい一日だった。



これで百名山は98座。あと二つ。9月4日、つまり明日から黒部五郎岳登山だ。今年はそれで百名山は終わりだ。
来年に幌尻岳への道が回復したら登ることにしょう。

終わり
(記述日:2004.9.2)
(掲載日:2004.9.3)
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